ピル承認秘話―わが国のピル承認がこれほど遅れた本当の理由(わけ)―第86話 予算委員会「横光克彦 vs. 環境庁」
外務省、厚生省(保健医療局、児童家庭局)、そして環境庁の政府委員の答弁をお聞きいただいた宮下創平厚生大臣が、横光議員の質問にどう答えるか、固唾を飲んで注視した。その結果がこれだ!
(下記の質疑応答は、1999年2月18日(木)に開催された予算委員会の議事録から抜粋したものです)
●横光:大臣にお尋ねいたします。中央薬事審議会(以下「中薬審」)の本分は、医薬品としての有効性及び安全性の評価を行う場である、そう認識してよろしいでしょうか。
○宮下国務大臣:最も重要な機能だと思います。
●横光:となりますと、中薬審がピルについて科学的に有効性と安全性を認めるならば、医薬安全局としてはその方向になるでありましょうし、大臣としても当然承認ということになると思うわけですが、その中薬審が、既に昨年12月2日に、インターネットでピルの有効性と安全性に関する中間取りまとめを発表しております。また、きょうの私の質問に対する各政府委員の答弁を総合しても、いわゆる国際間での日本の置かれている状況、あるいは性感染症対策、そしてまた十代の中絶件数の増加傾向、あるいは環境ホルモンとの関連性、こういった問題に対してのお答えを総合的に判断しても、私は、もはやピルの承認に向けての障害はない、このように考えているわけです。
ピルは、本来、女性自身がみずから選択をして、みずから納得して使う薬なんです。万人に飲むことを強要するものでも何でもないわけです。自己責任、自己責任いう世の中であれば、もう政府がちゅうちょする問題ではないと私は思っております。どうですか、大臣、ピルについても長い眠りから覚めて、来月あたりには結論が出せそうですか。
〇宮下国務大臣:今委貝の方から、世界の大勢、その他二十歳未満の中絶の増加傾向等々、また、環境ホルモンに対する環境庁の見解、各省の見解等が述べられました。
大体周辺としてはそういう感覚を持っているのではないかと思われますけれども、私どもは、安全性と効率性という先ほど申しました重要な視点で専門的な中薬審に申請を審査していただいておりますので、そういった先生方が3月早々にこの審議会をやるということでございますから、そこである程度のクリアはされるものと期待しておりますが、なお残された問題も生じた場合、またちょっと研究を、検討をさらに続けるということになるでしょう。
●横光:ありがとうございました。国内外の動向を含めて、周辺状況はこれだけかわってきているわけでございます。(中略)一刻も早い審議終了をさせていただき、ぜひともピルの承認を決断くだされますよう重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わります。