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国内初のプロゲスチン単剤経口避妊薬 厚労省専門部会が承認を了承

 4月25日、厚生労働省薬事審議会・医薬品第一部会において、国内初のプロゲスチン単剤経口避妊薬の承認が了承された。
 現在、経口避妊薬は、2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)の混合型のものが扱われている。この中で、エストロゲンは、血栓症のリスクとなると考えられ、血栓症素因がある、あるいは家族に血栓症の既往がある方、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患などの既往がある方等には、服用禁忌とされていた。承認されると、これまでより多くの女性に経口避妊薬活用の可能性が広がる。
 以下、本会会長北村邦夫のコメント。

待ちに待った日本初のPOP
一般社団法人 日本家族計画協会 会長 北村 邦夫

 米国に遅れること39年。1999年6月に承認、9月から発売された配合剤経口避妊薬は、日本家族計画協会が2023年に実施した全国調査からも、順調に普及していることがわかります。しかし、エストロゲンが含有されていることもあって、使用制限が加えられることが少なくありませんでした。今回、薬事承認される見込みとなっているPOP(Progestogen-only Contraceptive Pill)は商品名『スリンダ錠28』。ドロスピレノンを主成分とするPOPで、ドロスピレノン4mgを24日間服用し、4日間偽薬を服用するという周期投与法となっています。ドロスピレノンは、黄体ホルモン活性に基づく排卵の抑制、子宮頸管粘液の高粘稠(ねんちょう)による精子の侵入障害、子宮内膜の菲薄化(ひはくか)など多様な作用機序によって避妊効果を高めると考えられています。『スリンダ錠28』は、血栓症リスクを有する女性に対しても推奨されているだけでなく、WHOが発行している「避妊薬の使用に関する医学適格基準」でも、年齢、喫煙歴、肥満、適切にコントロールされた高血圧は、カテゴリー1の「制限なく使用できる」と記載されています。確実な避妊を求める日本人女性にとって、安心、安全に使用できる避妊薬として今後注目を集めていくに違いありません。

 なお、今後は、厚生労働大臣の承認を経て発売となる。

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