今年2月、北海道大学が、幼少期の社会経済状況が高齢期の歯の痛みの経験につながる可能性を示唆する研究結果を発表した。
歯の痛みは生活の質に大きな影響を与えることから、公衆衛生上の重要課題として位置づけられているが、これまで縦断的な研究は十分に行われてこなかった。今回、北海道大学病院の山本貴文助教は、65歳以上の高齢者21,212人*を対象に、幼少期(15歳時点)の社会経済状況と過去6か月以内の歯の痛みの有無との関連、およびそのメカニズムを調査した。以下に、その結果の要点を紹介したい。
*平均年齢:74.5歳、男性:47.5%、過去6か月以内に歯の痛みを経験した人数:6,222人(29.3%)
● 幼少期の社会経済状況が高いと回答した参加者は、幼少期の社会経済状況が困難であったと回答した参加者と比較して、高齢期の歯の痛みを有している確率が低い(有病率=0.79)
● 幼少期の社会経済状況が、成人期・高齢期の社会経済状況ならびに高齢期の口腔状態を経由して高齢期の歯の痛みに影響を与えている割合:
主観的な社会経済状況(12.7%)、教育歴(11.8%)、収入(6.1%)、資産(5.1%)、現在歯数(4.1%)
〈詳しい調査結果はこちら〉
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